「試作品三号！できたよ！」
「晴香・・・」
「な、なに？」
「手伝うよ？」
「い、いいよ！私がやらないと意味ないから！」
「でもさ・・・これ渡す？」
「ま、まだ試作だし！次がある
し！」
「晴香！ホントのこと言わせて！」
「は、はい」
「お姉ちゃんのお腹はあと1ラウンドで満腹です！せめて監修だけさせて！手ださないから！」
「ご、ごめんなさい。よろしくお願いします」

「晴香？こんな時間になんで黒いサーターアンダギーの親玉みたいなのを作ってるの？」
「・・・」
「あっ　ちょっなんで泣きそうな顔を！？待って！なにか多分お姉ちゃんがいけないんだよね！
　ごめん！ごめんね晴香！！な、なにから謝るべきか判らないけどすごい謝るし！」
「食べて・・・ケーキ・・・」
「ケーキ・・？　あぁケーキ！ごめんケーキだったね！お姉ちゃんひどい事いった！ごめん！」

「おい」
「人呼ぶのに”おい”、って何よ」
「いいだろ何でも。晴香どうしたんだよ」
「こっちが聞きたいっての」
「お前が知らなくてどうすんだよ、うちで一番会話してんじゃねえか」
「父さんも母さんも喋ってるよ！あんただけだよろくに喋んないの！」
「兄貴にあんたはねえだろ！お前いい加減クチのーーー」
「その兄貴は妹においだのお前だのって！おかしくない！？」
「こっちゃ年長者だろうが！」
「なーにが！中学生の妹に大丈夫か？とも言ってやれないくせに！」
「お前が行けばいいじゃねえか！急に変な気ぃ遣いやがって！」
「なんでそうやって人にばっかり・・・！」
「ちょっとー？二人とも近所に聞こえるわよー。騒ぐなら道場行ってやってね？」
「・・・上等だ。泣きながら晴香に事情聞きに行かせてやるよ」
「鼻血出しながら晴香にお伺いたてさせてやる・・・！」

「で、結局イヴはどーするの、晴香？」
「うーん、決まらなかったというか、決まったというか・・」

「お姉ちゃん、クリスマスは予定あるの」
「あー、それ聞いちゃうんだ」