「お兄ちゃん、ちょっと時間ある?」
「ねえよ。・・何だ、学校でなんかあったか」
「あ、私の話じゃないんだけどね。実は
「かくかくしかじか」というわけでね」
「おう」
「その少年を倒して良かったのかなって。どう思う?」
「向かって来んならぶっとばすだろ、普通に」
「あの、経緯きいてたよね?」
「男のくせに甘えんなって話だよ。勝手に這いあがりゃ良いんだ」
「んー、まあ、微妙に違うけどおおむね同意見かな」
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「お姉ちゃーん、ちょっといいかな」
「どしたの晴香、一緒に寝る?」
「寝ない。あのね、実はこういうわけで、どうかなって」
「よーしかかってこーい!って感じかな。八人相手にかかってくるなら覚悟できてるだろうし、
てゆか、それだけ出来るなら、もういろいろ解決できるんじゃないの?」
「うん、私もそう思ったんだけど・・そうでもなかったみたい」
「なにそれ、しゃきっとしろって蹴っ飛ばしてやればいいのに」
「ヤだよ!凹んでる人にそんな!」
「大人のご意見が欲しい・・・」
「晴香、人助けしてきたらしいじゃない」
「あ、お母さんいいとこに!あのね、実は・・・」
・
・
「ふーん。その子は強かったの?」
「うーん、ぜんぜん」
「じゃ、殴られたら良かったんじゃない?」
「・・負けてあげるのが良かった?」
「だって勝ち負け以前に、戦いになってないでしょ」
「あー・・・そうかも・・」
「多分ね、喧嘩したことないんじゃないかなあ、その子。
それなら、自分が相手に何をしようとしてるか、
それでどうなるか教えてあげたら良かったんじゃないの?」
「うーん、そういう手もあったかもね・・」
「頑張んなさいね。お父さんもお母さんも応援しかできないけど」
「うん、ありがと!」
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